CD50を88ccにボアアップした話
とにゃ〜!キッドです。
今回は長年の相棒バイクであるところの ホンダ ベンリィ CD50 の改造の話。
くるすモータース(友人宅のガレージ)にお邪魔して、ボアアップを中心に、チューンナップしてもらったので、その記録です。
なんとな〜くバイク詳しくない人にも読めるように書きましたので、興味がある人はのんびり読んでみてください。
今回行った改造
- キタコの88ccボアアップキットに換装
- ヘッドライトの交換(電球交換)
- スプロケットの交換(11T => 13T)
- エンジンヘッドの交換(CD50 => CD90)
- チェーン交換
- マフラー加工
- USB給電取り付け
- クラッチ強化
- キャブレターセッティング(メインジェット交換)
いじり始めたらなんだかんだと欲が出ちゃいました。
わからない人向けに簡単に説明すると、50ccの一般的に原付と呼ばれるバイクのエンジンを、大きなものに換装してパワーアップにした、という感じです。
それに合わせてパワーとスピードのアップに合わせてパーツのバランスをとっています。あとは消耗品の交換ですね。
4mini の話
改造の話の前に。
バイクにも色々な種類があって、自分の乗っているバイク「ホンダ ベンリィ CD50」は、4mini と呼ばれるバイクに分類されます。4ストロークエンジン搭載のミニバイクという意味で、改造とかが非常に盛んに行われているジャンルです。(125cc 未満は改造してもきちんと登録すれば公道を走ることができるのです!)
その中でも最も人気のあるホンダのC型エンジン(郵便屋さんのバイクと同じエンジン)を積んでるバイクなので、非常にパーツが豊富です。なので、いつかはやってみたいなと思っていた「ボアアップ」。今回、友人の力を借りてついに実行したのでした。
ボアアップって何?
まずは今回の改造のメイン、ボアアップの説明です。「ボアアップ」ボアをアップするのでボアアップです。
エンジンというのは、気化したガソリンと空気の混合気を、圧縮して、着火、爆発する力で動きます。
エンジンの 50cc や 250cc などの数字(排気量)は、燃料(ガソリン&空気)を圧縮する部分の大きさで決まっています。ピストンが上下することで圧縮を行うので、ピストンの面積と、移動距離で算出されます。
半径3cmのピストンが5cm上下運動すると、3cm(半径)×3cm(半径)×π(円周率)×5cm(移動距離)=45π㎤(≒135cc) となります。
ここまでくるとお察しの方もいるかと思いますが、1つのピストンで排気量を上げるには2種類の方法があります。半径を大きくする方法と移動距離を長くする方法ですね。
それぞれボアアップ(bore = 内径)、ストロークアップと呼ばれます。
ちなみに、ピストンの数を増やすという方法もあります。単気筒、2気筒、4気筒なんて言ったりするのは、ピストンの数を表しています。単純に数が増えるので、2倍、4倍の排気量になります。
排気量という名前ですが、実は排気の量とは関係ないのがちょっと不思議なところです。
つまり、今回行ったボアアップは、ピストンの内径を大きくして、排気量をアップ。それによって出力のアップをしよう、というものです。
さあ、改造だ!・・・の前にまずは準備から。
なんとなくパワーアップするんだなぁ、というのがわかってもらえたところで、まずは準備のお話。
今回はくるすモータース(バイク好きの友人)にお願いをするので、工具や技術的な面では心配は特にありませんでしたが、やっぱり自分のバイクのこと。どんな作業が行われて、どのパーツを交換するのか、知りたいので、色々調べてみました。
今回の作業が事細かに載っている、いわば攻略本。
中身を見るとプラモの説明書のような感じで、ネジ一本一本まで作業手順が書いてあります。
こんな感じのページが延々と続きます。
腰上編と腰下編があるんですが、今回はボアアップなので、ピストン周辺のことが書いてある腰上編を購入。
あとは普通にバイクの仕組みの本を読んでみたり。
何十年も昔に完成した技術なので、ちゃんと読んでみると意外と原始的です。でも本当によく考えられている。なかなか面白かったです。
こんな感じでちょっとお勉強しながら、改造する日を心待ちにして過ごします。
改造のため、くるすモータースへ!
今回の改造は、友人宅のガレージで行うので、まずはそこまで原付を運びます。
とはいえご近所ではないので、これもまたツーリングがてらの小旅行。
150kmほどの道のりをのんびり走ります。
途中、ちょっとおめでたいことも。
走行距離40,000km到達です。
買った時が18,000kmとかだったので、自分で稼いだのは半分ちょっとですが、思えばいろんなところへ旅をしました。
泊りがけで宮城や新潟まで行ったり、今年の前半は静岡や山梨へのキャンプの足としても活躍してくれました。
ボアアップが終わったらまたちょっと遠出したいな、とそんなことを思うのでした。
さて、そんなこんなで半日かけて目的地へ到着。
わくわくの改造が始まるのでした。
改造するぞ!その1
くるすモータースのガレージで、改造が始まります・・・。
まずはパーツを開封!
こんな感じのパーツを買いました。
これらを使ってパワーアップ、スピードアップ、調整をしていきます。
チェーンがかかっている歯車が、今回交換するドライブスプロケットというもの。13Tから15Tに増やしたので、スピードも15/13倍、必要なパワーも15/13倍です!(分かりづらい)
どんどんエンジンを分解して・・・
シリンダーを取り外してサイズを比べてみました。
左が今までついていた50ccのシリンダーと、上に乗っているピストン。右が新しく買った88ccのシリンダー。経の大きさが全然違いますね。
これはかなりのパワーアップが期待できそうです。
手際よく改造を進めていきますが、ここで問題が発生。
シリンダーの大きさが合わない。
C型エンジンの50cc用ボアアップキットで間違いないはずなのになぜ・・・?
しばらく考えた末に出てきた答えは、虎の巻の中に小さく書いてありました。
旧型、現行と書いてありますが、いわゆる6V車、12V車の違いということみたいです。
(製造された年式によってバッテリーの電圧が6Vのものと12Vのものが存在します。)
うちのは12V車だったんですが、間違えて6V用のボアアップキットを買ってしまったようでした。
そのため、ピストンが3mm出っ張っていたので、そのまま運転しようとしていたら危なかったですね。
ただ、ピストンだけ買い換えれば他のパーツはそのまま使用可能のようだったので、近所のバイク屋さんを巡ります。
が・・・そんな都合良く置いてあるはずもなく、この日は改造完了できず、バイクは置いたまま電車で帰ることとなるのでした・・・。
きれいなピストンだろ・・・?こいつ、6V用なんだぜ。
改造するぞ!その2
前回ピストンを書い間違えたため、まずは正しいものを購入。
あとは、前回診てもらって、そろそろ交換したほうが良さそうな消耗品関係をいくつか。
それと、パワーアップに伴ってクラッチが滑るようになってしまったので、クラッチも強化。
この他に給排気の見直しとして、スーパーカブ70のエンジンヘッドをヤフオクで購入。
走行中に充電できるようにUSBケーブル(くるすモータースで余ってるのをもらいました)を装着。
そして排気効率を上げるために、マフラーを加工。
ドリルで後ろに穴を開けて通気性アップです。
完成!
見た目にはあまり変わりませんが、大幅なパワーアップと適切なメンテナンス、快適なアイテムの追加が行われました。
カブ70のエンジンヘッド(90ccと同じもの)、キタコの88ccボアアップキットのシリンダー、強化クラッチ、ドライブスプロケット、チェーン、メインジェット。
ライト交換、USBケーブル装着、マフラー加工。
いろいろやってもらいました。
ボロボロになったヘルメットも新調して、バイクカバーも買って、心機一転新たなバイクライフといった感じです。
改造してみた感想
50ccから88ccのボアアップだったので、1.7倍以上の排気量アップ。
もともと非力で激坂などが辛かったのが一つの悩みでしたが、加速やパワーに関しては、かなり改善されました。
帰り道もまた150kmほど走りましたが、距離を走るにつれて段々こなれてきた(耳慣れてきた?)感じもありました。
純正の90cc用エンジンヘッドにリプレースしたのもあってか、かなり自然な印象です。
あ、でも燃費は随分落ちました。(と言っても30km/Lは余裕で出ている)
念願のボアアップ(とその他もろもろ)をやってみて、一層愛着が湧いたような気がします。
と言っても実作業はほとんどおまかせで、ちょっと手伝いをしながら旗から見ていたばっかりでしたが。
改造をしようと決めてから仕組みの勉強をしたり、一連の作業を見ながら話を聞かせてもらったおかげでバイクに対する知識量は随分増えました。
かなり原始的で、けれども緻密にデザインされていて、知るたびに関心してばかりでした。
これからの日頃のメンテナンスや、いざというときのトラブル対処に役立てたいですね。
改造を手伝ってくれたくるすモータースさん、大変お世話になりました。ありがとうございました。
(次はキャブレター交換しにお邪魔しますね)