とにゃ〜!キッドです。
こちらはネタバレありの記事。シナリオ以外にも、隠しコンテンツのネタバレもあるので要注意です。あと辛口注意。

前の記事

http://m9logs.net/game/899

バトルの話

バトルシステムは、普通にプレイする分にはそんなに良いとも悪いとも思わなかったし、従来のマテリアシステムやおなじみのリミットが使えただけで割と満足だったけれど、全部クリアして、HARDモードをやって割と気になるところがあった。

最強武器が存在しない

これは分作である以上仕方ないんだけれど、武器やマテリアの数がオリジナルに比べてかなり少ない。やりこみをする、となったときに「最強武器」がなかったのが思ったより寂しかった。「ものまね」「ファイナルアタック」などのオリジナルで驚異的な強さだったマテリアもないし、「アルテマウェポン」も存在しない。もちろん、登場して欲しかったかと言われれば、今のタイミングで手に入るのはおかしいと思うが、なんとも言えない寂しさがあったのは事実。早く完結まで作って欲しい。

HARDモードのMP管理が面倒臭い

HARDモードでは、アイテムが使用できず、ベンチや宿屋でもMPが回復しない。MPが回復するタイミングはチャプターが変わったタイミングのみ。そのため、チャプター単位でのMP管理が必要になってくる。これが割とストレスだった。常に最善策を取ろうとすると

  • HP回復はバトルの最後に「いのり」を溜めて使用する
  • MPはなるべく温存したいので、魔法は弱点魔法の1段階目のみ使う

といった感じになってきて、かなり面倒臭い。2週目なんだからもっとド派手に戦いたかった。

マテリアシステムは相変わらず面白いが...

マテリアシステムはオリジナルの頃から大好きだったので言うことなし。と言いたいところなんだけれど、今作の戦闘(特にHARDモード)とは相性があまりよくなかったように思う。
戦闘では相手の弱点を突くことがかなり重要で、弱点を突く方法は言わずもがなマテリアだ。HARDモードでは敵がかなり強く、弱点を突くことを強いられていたので、バトルに入る->弱点を調べる->バトル前に戻る->マテリアをつけ直す->再戦みたいな手順が割と頻繁に必要だった。ボスだけならまだしも、雑魚敵すら怯まないので、HARDは割と大変だった。
そもそも、キャラクターの性能の大半を入れ替えられる戦略性の高いマテリアシステムと、プレイヤースキルやその時々の操作が重要なアクションバトルの相性がそれほど良くなかったんじゃないかな、とも。コマンドバトルだから、あれだけ自由なマテリアシステムが活きていたんじゃないかと思う。マテリアシステムの自由度の高さが、バトル前の準備の面倒臭さに変わってしまっていたように感じた。そういう点では、CLASSIC難易度を作ったのは正解だったんだな、とも思った。

最強の戦略の面白み

レベルがMAXになり、マテリアもあらかた揃え終わって、じゃあ3人でいざ戦うとなったとき、一番確実に敵を倒す方法が、ひたすらガードしてATBを稼いで、ピンチなら「いのり」、チャンスならATB技を使う、というような戦略だった。つまり、バトル中のほとんどをガードと回避で過ごす。
ATBが時間経過とガードで溜まっていくシステム上それが最善ではあったのだけれど、なんとも画面が地味だった。これも、アクションバトルとコマンドバトルを無理やり融合した弊害かな、と思った。ATBが堪らないのであれば、ガードだけではジリ貧になっていくので画面に動きが生まれるし、バトルの時間切れがあれば、早く倒さないといけないので攻撃に転じる。何かしらもっとプレイヤーを動かすようなもう一工夫が欲しかった。

と、色々辛辣には書いたけれど

ちょっと辛口で書きすぎた気もする。HARDモードのバトルは楽しいというよりちょっと辛かったけど、少なくとも、普通に1週プレイしていた上では気になるほどではなかったし、あえてこのゲームで突っ込むならそのへんくらいなのかな、という感じ。ただ「バトルもとにかく完成度が高くて、ゲーム性の一点だけ取っても満足できる作品ですよ!」とは思えなかった、というところ。

エンディングの話

正直、最初に見たときはポカーンだった。ただ、落ち着いて考えてみて、色々整理されたこともあるので、思ったことをまとめてみる。

FF7の物語として

最初はオリジナルのFF7のリメイク作品を遊んでいるんだから、当然ミッドガルハイウェイで終わると思っていた。あったとしてセフィロスとのイベントバトルというファンサービスくらいかと。ただ、リメイクでは想像よりもかなり大きな改変があった。フィーラー(運命の番人)と戦う、というシナリオだ。
あまりに規模が大きすぎて最初は飲み込めなかった。そもそもFF7にはライフストリームやジェノバ因子などの世界観に溶け込んだファンタジー要素がすでにあるのに、それ以上の上位概念としてふわふわした「運命」なるものが出てきてしまって、夢オチのような肩透かし感を食らってしまったという感じ。
ただ、改めて物語を見直してみると、ちゃんとフィーラーの行動は一貫している。「FF7の物語」として読み進めているとそのことに気づくのは難しいが、先入観なしで見ると端々で実はそうだと気づけるポイントがいくつもある。ただし、オリジナルと同じではない物語なんだと気づけるのはオリジナルをプレイしたプレイヤーだけで、つまり先入観がどうしても入ってしまうプレイヤーになる。巧妙なトリックだ。
つかみどころのない「運命の番人」という存在はまだもやもやするところはあるが、それはFF7Rの続編でちゃんと腑に落ちる描かれ方がされるのを期待したい。

FF7Rという新しい物語として

ゲームをクリアしたとき、そもそも、このゲームをFF7としてプレイしたのが間違いだったのだと気づかされる。このゲームは、FF7のリメイク作品のように見えて、FF7Rという名前の新しいコンピレーション作品だと思った方がいいだろう。そう考えると「REMAKE」というタイトルも違った意味合いを帯びてくる。次回作ではどんな展開になるのか、それは誰にもわからない。だから純粋に期待ができる。
最終章は1章丸々使って、完全オリジナルのストーリーになっていて、見方によっては原作ぶち壊しにしやがって、という話になるかもしれない。ただ、そもそもこの作品はFF7のリメイク作品じゃなかったし、本編の圧倒的なクオリティを見た後の「新しい物語を描かせてくれ」というスタッフからのメッセージに、期待するなという方が無理だろう。もしかしたら100点のリメイクではなく、120点の続編が見られるのかもしれないのだから。

まとめ

エアリスがかわいい。それだけでやる価値のあるゲームだけど、もちろん完璧な作品ではないし、納得いかない部分や、現状では評価しかねる部分があるのは事実だ。ただ、ネタバレなしの記事で書いたように、物語としてのクオリティとしては抜群で、本当に体験してほしい作品になっている。
正直なところ、発売するまでは期待よりも裏切られる覚悟をしていたけれど、予想外の形で裏切られることになった。次回作は、純粋に楽しみに待てることがなにより嬉しい。