旅に出ます。

遠くに行きます。とっても遠く。

移動手段は、ヒッチハイクかな。

流石に親指だけでヒッチハイクする度胸はないので、いろいろ準備をしてみました。

持ち物

  • スケッチブックとペン

これがないと始まらない。A3の大き目のスケッチブックに、一番太いマッキーのペンを用意。

  • 着替え一式。

Tシャツ、ズボン、パンツ、靴下、タオル各3着。あと念のため長袖一着。それと帽子。

  • 寝袋

正直必要かどうかわからないけど、あったほうが楽しそうなので寝袋と下に敷くやつ。あと旅行枕。

  • 地図

高速道路用のを買っちゃったけど、下道のほうが面白そうかな~とか思い始めてしまった今日この頃。

  • その他小物

汗ふきシート、虫よけスプレー、携帯防水ケース、ハブラシ、手帳、財布、スマホ、モバイルバッテリー、うちわ、充電コード。なんだかんだいろいろ準備したなぁ。

目的地と経路

目的地は…暑いので北かな。北海道までいけたら楽しそうだな~。

経路は、東京近郊の道路網が蜘蛛の巣状態なので、海老名SAあたりから回っていこうか、どうしようか。

出発は用賀ICが良いとか書いてあったけど、まあ地元のICでいいかなぁ。捕まらなかったら改めて用賀ICにでも行ってみようか。

ヒッチハイクって捕まるのかな…?

まぁいいや、物は試しだ。出たとこ勝負、行ってみよう!

実際にやってみた

準備ができたので、さっそくその日の午後にやってみた。

近所のインターでスケッチブックに行先を書いてすれ違う車にアピール。

ちょうど左折してインターに入っていく形だし、カーブの曲がり終わりにいればかなり視界には入りやすい。

これは、案外好立地なのでは!!?

すぐに見つかってあっという間に北海道なのでは!!?

……。

とは思ったものの、通る車が少ない。インターに入る車もまた少ない。

止まってくれる車もいそうにない。

これは…駄目なのでは???

ま…まあいい。しばらくやってみよう。

……

…………

………………

駄目だ!!!!!

そもそもこんな車少なかったら上手くいくはずもねぇ!!!

やめだやめ!明日もう一回ヒッチハイクの聖地と呼ばれる場所から始めよう!!

そして翌日

電車を乗り継いでヒッチハイクの聖地「用賀インター」へ。

よし、今日こそは!目指せ北の大地だ!!

 

用賀駅で降りたらまずは用賀インターのマクドナルドを目指す。

どうも、ここが立地条件としてヒッチハイクしやすいらしい。

到着してまず思ったのが、歩道橋がすごい!(どうでもいい

変わった形の歩道橋に目を奪われながら、目的のマックに到着。

とりあえずポテトを食べる。ムシャムシャ。

さて、腹ごしらえも終わったしヒッチハイク開始だ!

今日は東名高速で海老名を目指すぞ!

海老名?逆じゃない?って思った人もいるでしょう。甘い甘い。

まずですね、東京っていうのは、すごいんです。ぐちゃぐちゃなんです。

見てください、このぐちゃぐちゃ具合。

これを見て、わかりやすい海老名~圏央道~東北自動車道のルートで行くことに決めましたとさ。

さて、5分で捕まったとか書いてあるツイートもあったし、聖地と呼ばれるような場所やし、余裕やろ。

まずは気軽にやってみるかな。

聖地でヒッチハイクスタート!

行先を書いたスケッチブックを高々と掲げて、意気揚々と開始。

―――5分経過。

おかしい…こんなにも乗せて欲しそうにしているのに…。なぜ止まってくれないんだ。

仕方ない、ここから本気出すか…。

―――10分経過。

おかしい…こんなにも旅をしそうな恰好をしているのに…。なぜ見向きもしないんだ。

仕方ない、少し位置を変えてみるか。

―――30分経過。

おかしい…こんなにもたくさんの車が通っているのに…。なぜ誰も乗せてくれないんだ。

左折してきた直後に見える好位置で、またしても通りすぎる軽のワゴンを目で追う。

乗れる場所、あるんだけどなぁ…。

通り過ぎた車を見つめながら、もうあきらめようかと思い始めたそのとき、

一台の赤い車が目の前に止まった。

「え!?マジ!!?」

なんて声が出てしまったのは誰にも聞かれていなかっただろうか。

急ぎ荷物を手に取り助手席に駆け寄る。

複雑そうな笑顔で手を振る運転手。

そして席には満員の家族。

おっ、これは…!!これは…..?ん???満員の家族???

俺の乗る場所なくね???

よく見ると運転手の手の振り方も、違うよ、と言わんばかりだ。

どうやらただ単に一旦停車したかっただけみたい。

まじかー…。残念!でも!ちょっと楽しかった!!元気出た!!

またね~と手を振ってお見送り。

よし、次もがんばるぞ!

ついに自分めがけて止まってくれる車が...

ちょっと元気のでる出来事もあったので、またしばらく続けてみる。

一向に止まってくれる気配はないけれど、さっきもらった元気もあるし、がんばろう。

ただ、腕を上げ続けるのはさすがに疲れてきたな…

乗せてくれないのが分かる車には、見せてもしょうがないし、うまいこと工夫してこう。

遠いほうの車線にいる車、バスや緊急車両。

あとはスピード出してる車も止まる気ないよなぁ。

でも、しばらくやってると、なんとなく運転手さんとのコミュニケーションもわかってきた気がする。

目を合わせると、たまに返事をしてくれる人がいるみたいだ。

でもやっぱりノーリアクションの人が多くて、

何台も通り過ぎて行って、たまに減速したかと思うとマクドナルドか奥の路地に入っていく。

う~ん、むずかしいなぁ。

そんなことを思っていると、通り過ぎた先で止まった一台の車が。

でもこの車は乗せてくれない車だとすぐに察した。

というか乗ってくれと言われてもお断りしたい車だった。

白と黒のツートンカラーに、赤いランプがついたセダン。

いわゆるパトカーというやつだった。

やさしいおじさん

職務質問というのをされた。生まれて初めてだ。

といっても、険悪なムードでは一切なく、応援してくれる雰囲気だった。

どうやら、ヒッチハイクの際に護身用としてナイフや催涙スプレーを携帯する人がいるそう。

キ「虫よけスプレーならありますよ!」

と快くバッグの中を見せる。

お「いいよいいよ、続けてて。ちょっと見せてもらうから」 お「意外と中身少ないねぇ。」 キ「いざとなればなんとでもなるかなって。」 お「どこから来たの?ヒッチハイクは何回目?」 お「いや~、がんばってね、応援するよ。」 お「海老名行くの?逆じゃない?」

と、なんだかんだとくだらない話を少しして、またパトロールに戻っていった。

人と話すのって楽しいな~と、久々に話すキッドさんは思ったのでした。

しかし、目的の乗せてくれる車は止まってくれないなぁ…。

応援もされちゃったし、もうちょっと頑張ってみるか~。

夏、それは暑い

警官のおじさんは去り際に、

「水分補給だけはちゃんと気を付けてね」

と言い残して去っていった。

確かに暑い。とても暑い。猛烈に暑い。

Tシャツはびしょびしょだし、タオルで拭いても汗が噴き出してくる。

心なしかふらふらしてきた気もする。

だけど旅に出ると決めて家を出た手前、のこのことは戻れない!

とは思ったものの、そのあともしばらく続けて収穫は0。

体力的にもかなり厳しく、なにより汗でくさい。きたない。

これで人の車に乗りたくない!!

と思ってしまったものだから、結局この日は帰ることに。

ヒッチハイクって、やっぱり難しいんだなぁ。

得たもの、失ったもの

結局失敗に終わったので得たものも失ったものも少ない。

けれど、次回にむけて残しておくことがあるとすれば

  • 暑い時期にやらない

炎天下に立ち尽くすのはそれだけで体力的につらい。

  • 度胸を持って、恥を捨てて

行先を持ってるだけでは誰も見向きもしてくれない。全力アピール!

  • 何時間でも立ち尽くす覚悟

正直甘く見てた。もうちょっと捕まると思ってた。

  • 運転手の目を見て、お願いをする

なんとなく、目があった人とはコミュニケーションがとれた気がする。

 

そんな感じかな。とにかく体力勝負だということが分かった。

とりあえず夏の間はヒッチハイクはやめておこう、と思ったキッドさんでした。