カナレットとヴェネツィアの輝き展
とにゃ〜!最近は涼しいを通り越してだんだん寒くなってきましたね。
読書の秋、食欲の秋と、いろんなことをやりやくなる季節ですが、今回は芸術の秋の話。
前から気になっていた画家の展覧会が、なんと日本で初めて開かれるということで、見に行ってきました。
巡回展「カナレットとヴェネツィアの輝き」
先日、新宿のSOMPO美術館にやってきたカナレットとヴェネツィアの輝き展。
18世紀の画家、カナレットを中心にカナレットの時代や他の画家の描くヴェネツィアの作品をまとめた展示でした。
キッドさんは西洋美術には全く詳しくないので、宗教画とか人物画とかを見てもよくわからなかったりするんですが、カナレットの作品はすごく緻密で空気感のある風景画だったので、以前から気になっていた画家の一人でした。
ヴェドゥータ(景観画)というジャンルの第一人者だそうで、その作風から、当時から海外人気が高い画家だったようです。
巡回展は静岡、東京、京都と回っているようで、10月から東京にやってきています。
下の動画は展覧会の紹介動画です。動画だと雰囲気がとてもわかりやすいですね。
動画の最初に出てくるバルバリの鳥瞰図が見られたのも感動でした。
ヴェネツィアについて調べるとよく出てくる、15世紀末ごろのちょうどアサクリ2くらいの時期のヴェネツィア全景の画です。
ヴェドゥータの魅力
カナレットの作品を語るにあたって外せないキーワードがヴェドゥータ。
vedutaはイタリア語で、その語源は英語ではviewに当たる言葉です。
ヴェドゥータの中でもいくつか種類があって、見える風景をそのまま書いたものや、少し画のために構図を調整したもの、実際にはありえないものを描いたものなどがあるようです。
カナレットもどれも描いていますが、個人的にはヴェネツィアが好きなので、ヴェネツィアの実在の建物などが描かれているものが興味深かったです。
カナレットが活躍したのが18世紀半ば。ヴェネツィアは古い街なので今でも現存している建物も多いですが、ナポレオンに壊された教会など今の時代では見られないものが描かれているのもとてもおもしろいです。また当時は写真もなかったので、その場所に行けない人がその場所を知るためにも重要なツールだったようです。時間も場所も超えて見ることができるところはヴェドゥータの魅力ですね。
グランドツアーとカナレットの画家人生
18世紀にはイギリスの貴族の子息がグランドツアーという豪華な修学旅行のようなものをするような風習があったようです。
カナレットの作品はこのグランドツアーの客に大人気で、パトロンもイギリス人でした。
世界情勢の影響でグランドツアーの客が減ってしまった時期にはイギリスに移住していた期間もあったりします。
そんな経緯があるので、カナレットの作品にはイギリスを描いたものも多く、またカナレットの現存する作品もイギリスに多く所蔵されているようです。実はヴェネツィア現地にも所蔵はそこまで多くないので、今回の展覧会はとっても珍しい機会だったりします。
興味が沸いた人はぜひSOMPO美術館へ!
新宿のSOMPO美術館は12/28までなので、都合が付く人は見に行って感想をきかせてください。
SOMPO美術館 カナレットとヴェネツィアの輝き
普段美術館には全くいかないんですが、実物の大きさや筆使いなど、写真では伝わらない迫力が味わえて大満足でした。
カナレットの作品は描かれている人物や空の空気感、光の表現などわかりやすく魅力的な点も多いし、画風が時代を経て変化していく様子も解説されていて初心者でも楽しめるとても良い展覧会でした。
もし予習をしてから行きたい!ということであればこちらの赤い本がおすすめ。紹介作品も多く、カナレットの来歴や説明も十分です。ちなみに美術館の売店にもありました。
カナレット 新装版
余談ですが、新宿三丁目のヴェネツィア料理店がすごく美味しかったので、都合が合う人はそちらも覗いてみるといいかも。
Il bacaro